台北・安全な散歩 7 猫カフェにて

お茶好きなお嬢さんたちに朗報! 台北のカフェ事情というのはなかなか魅力的なようです。中山站(駅)のあたり、先に紹介したMOGUの「Have a booday」は奇妙でかわいらしい気の抜け具合だし、「台北之家」の「SPOT CAFE」は静かでエレガントな雰囲気だし、ほかにもロールケーキのおいしいお店やオシャレなカフェが乱立している様子。他のエリア、大学周辺にもまた魅力的なお店も多いみたい。チェーン展開のコーヒーショップが乱立しているので散歩中の休憩にも事欠かない。もちろんお茶の本場の台北だもの、郊外にある猫空の山から町を見下ろしながらお茶屋でゆったり過ごすのもすてきだろうな(ロープウェイで猫空に行って、夜お茶がしたいなあ)。

そんな、気軽な一杯には事欠かない台北だけど、わざわざ飲みに行きたいお店があるのだ。それが「猫カフェ」。台北にある「猫のいるカフェ」のうち、有名な二軒にあそびにいきました。目的はお茶じゃなくて猫だけどな!

まずは台北の南側、MRT淡水線の台電大樓站(駅)から歩いて十分ほど、路地にある「極簡Cafe」。周辺地図を持っていなく、夜だったこともあってタクシーで近くまで行ってしまったので駅からのアクセスはよくわかりません。でも近くの通りには夜市も立ち、屋台の食べ物屋さんも出ていて賑やかな様子。一方通行の路地の手前でタクシーを下ろされて、台湾語しか話さない運ちゃんに「ここをまっすぐ、ナンバー42ね」と言われたとおりに歩くも、なかなかお店にたどり着けない。不安になったあたりで、足元で「いらっしゃい」と猫がニャー。

ここはミュージシャンで作家の張永智氏が作ったカフェ。オーナーのアート寄りの雰囲気と、大学近くということもあるのか、猫を抜いてもカフェとして上等。間接照明の灯りとゆったりと配置されたソファ、ガラスの向こうには中庭があり、のんびり過ごせる雰囲気。先客の常連らしき女の子は、テーブルの上にノートパソコンを広げて何か書きものをしていました。ちびっちゃい黒猫が机の上に上がってマッキントッシュと格闘。かわいい! 

 
 

店内には猫がたくさんいて、たまたまだったのかもしれないけれど、短毛種の猫ばかり。ママハタリがかわいがっている家猫に似た子や、ハタリびいきの黒×白の手ぶくろ猫や、生後数ヶ月というチビたち、ずーっと足元で寝たままのおでぶちゃん、水槽で水を飲む猫、ゲージの中には本当の生まれたての仔猫もいるんだとか。高山紅茶を飲みながらの猫を眺めるひととき。お茶はティーサーバーで出されて、たっぷりの量でたしか100NT$程度。おいしいお茶でした。残念ながらワッフルは期待はずれの味。台北とは甘さの感覚がちがうのかな。

カウンタにも猫。兄弟なのかな、柄が似ていて仲良しの二匹。

「ホットコーヒーくださーい」「あんたたち猫舌でしょ」「ニャー」

店内には猫オモチャもあるのだけど、お客さんもみんな読書をしていたり、常連はお店のスタッフとおしゃべりしていたりして、猫ともつかず離れずの距離感を楽しんでいる様子。猫たちも猫同士でじゃれあったり、ときに喧嘩したりして、店の内外を行ったりきたり。猫がいることが特別なことではなく、猫とお茶が見事に共存したカフェ。そんな居心地のよさと、次々と現れる猫のキュートさに、つい長居。

【極簡Cafe】 台北市泰順街2巷42號 →旅々台北の紹介ページ



==================


二軒目はMRT淡水線の芝山站(駅)前にある「猫花園」台北猫カフェの発祥地と言われているお店。駅のホームからお店が見えるという好立地。店のガラス扉の前には、台湾名物「変身写真」風の猫の絵が飾られています。

店内はいたって普通の喫茶店。テーブルと椅子が並び、奥にはキッチンとカウンタ。店の真ん中あたりに本棚や飾り棚があり、猫関連の本や置物がたくさん並んでいる。テーブルの天板には「お店の猫と仲良くするルール」が書かれた紙が貼られていて、席についた矢先に客を啓蒙しようという仕組み。観光客の多さがうかがえます。席には「猫専用」と書かれた椅子があって、その上では期待通りに猫が居眠り中。店内にはうじゃうじゃと猫だらけ。すぐに灰色の長毛の猫がやってきてテーブルの上に上がってきた。テーブルの下には犬もいます。おとなしくて、猫とも仲良し。

 

こちらのお店はマスターの好みなのかな、長毛種の猫が多いようで、みんな貫禄たっぷりなガタイのよさ。店には猫オモチャも常備されていて、客は自由にオモチャで猫とあそぶことができるのだけど、意外と猫が相手をしてくれない。猫の活動時間帯にと考えて、夜の九時頃に店に行ったのでみんなやる気はある時間帯だろうに、やはり客慣れしているからか結構クール。と、思ったら、カウンタのあたりで数匹の猫が跳ねている。店主夫妻が猫オモチャで猫とあそんでいるではないの。

壁には大きな猫の絵。

メニューは150NT$前後とふつうのカフェに比べたらちょっと高め。猫によるサービス料込みという値段設定。金柑入りのハーブティを頼んだらポットで出てきたのだけど残してしまった。楽しみ方は人それぞれなのだろうけれど、ここは「カフェ」というより「喫茶店」、いやむしろ「猫のテーマパーク(お茶は二の次三の次)」という印象。文化祭のお店っぽい、といった方が近いかもしれない。

【猫花園】 台北市福華路129號1F →旅々台北の紹介ページ



ほかにも、「院子Cafe」にも行きたかったし、「Cafe OSO」あたりもかわいらしい雰囲気のようだけど、短い滞在ゆえにタイムオーバー。でも、この二軒ほどたくさん猫がいるわけではないみたい。

猫カフェめぐりについては「旅々台北」の特集記事が詳しいです。今年九月には台北猫カフェ本も出たそうなので、ご参考までに。

猫カフェ

猫カフェ



台北・安全な散歩 2007】
1 台風と旅支度  2 出発 3 欧華酒店 4 町と食欲 5 町と好奇心 6 台北商旅慶城館 7 猫カフェにて 8 小龍包と女の子 9 台湾新幹線 10 帰国