台北・安全な散歩 8 小龍包と女の子

台北に行ってくるの」と言うと、かなりの確率で返ってきたのが「鼎泰豊、行くんでしょ」というアンサー。「鼎泰豊」台北にある小龍包が有名なお店で、永康街近くの信義路に面したお店のほか、忠孝店と復興店の支店があります。一九九三年には「The New York Times」の「世界十大美食」に選ばれたことがある世界的な有名店(→記事)。台北市内の三店舗のほか、上海や北京、韓国、シンガポール、マレーシア、アメリカ、もちろん日本にも展開しています。

さて、粉ものが大好きなミスハタリ。観光客の例外にもれず、ここの小龍包をたのしみにしていました。観光初日の永康街に着いたのが月曜日午前十時半で、そのときはまだお店の前に数人が並んでいる程度だったのだけれども(それでもこの朝の時間帯ですでに店内は満員ってことだよねえ)、しばらく散歩をしてから、十一時すぎに戻ってきてみると、店の前の通りは大混雑。月曜日なのに! この混雑は年がら年じゅう、日常茶飯事らしい。間口は狭いが奥行きがあり、ビルの階上までお店が入っていること、お客さんの多くは小龍包目当てなので回転が速いので、ひどく待たされることはないという噂。しかしその後の予定もあるので、信義店を離れ、夕暮れどきに支店の忠孝店へ。夜は午後四時営業開始、開店と同時にお店に入る。

通り沿いの看板の前には、かわいいおねえさんが立っていて店へと案内してくれる。店内にも女の子が多いのだけど、みんなとてもかわいくてスカートが短い!

実はママハタリは「小龍包」というものが何なのか知らなかったらしい。みんなに「ショーロンポーショーロンポー、いいなあ、ショーロンポー」と言われて「はて、ショーロンポー?」と思っていたらしく、娘までが「ディンタイフォンでショーロンポー!」とミーハーに唱えているものだから、「フム、たぶん中華料理だな」と思ってついてきたらしい。

むかし、中学生の頃に『美味しんぼ』で読んで知った小龍包。中からあふれんばかりの……という描写に憧れ続けて十数年、これまでにも何度か小龍包という名前の食べものはいただいた機会はあったけれど、捜し求めていたものは、湯気を含んだせいろのなかにあったのだ! 

 

薄皮のなかには熱いスープがたくさん。破かないように箸でてっぺんをつまんでれんげに移し、お好みで生姜と醤油と酢につけていただきます。生姜は日本のものとちょっと味が違う。でも何もつけずにいただくのがいちばんおいしい(と、薄味好みのわたしは思います)。その手順を踏んでいるあいだに、小龍包はちょうどいい温度になっていて、火傷することなくおいしくいただける次第。

うわー、おいしーい。一人前(1セイロに10個入)で180NT$、ちょっとしたおやつにもちょうどいい量とお値段。ふたりで二人前を平らげ、エビワンタンスープを頼み(ほとんどわたしがひとりで食べた)、それでもお会計は500NT$弱。食べているうちにどんどんお客さんが増えてきて、店内が賑やかに。山積みになったあつあつのせいろを白衣のおにいさんが運んできます。

実はママハタリは中華料理があまり得意ではないのだけど、ここの小龍包はとてもお気に召した様子。翌日、ちょっと小腹が空いたねと言ったら「昨日のアレ食べようか」とやけに乗り気。度小月の麺を食べたあとだったのでおやつ程度に一人前をオーダーしたものの、あっという間にぺろりと食べ終えて、モジモジしているのでもう一人前追加。難なくぺろりといただきました。

観光ガイドと縁遠い硬派な旅人にも、ここの小龍包とミニスカートはやっぱりオススメ。


【鼎泰豊】
台北ナビの紹介ページ 「信義店」 「忠孝店」 / →旅々台北の紹介ページ



台北・安全な散歩 2007】
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