Together We Are Beautiful.

新しい町での暮らしは順調。知らない町にぐっと近づくためには自転車よりも歩くほうがわたしには合っている。町のリズムを知る、町の匂いをかぐ。地下鉄の路線図を見て、こことここは歩けるとわかったとたんに景色がパッとひらける。いくつかのおいしいパン屋を見つけて(谷町六丁目の「gout」はピロシキ焼きカレーパン、「IENA」はだんぜん角食、四天王寺夕陽丘の「麦の花」ではいちじくのパン、うつぼ公園そばの「タケウチ」のチョコベーグルにはオレンジピールが入っている、とかね)、また会いたいなと思うひとが増えたら、町に慣れてきた証拠。

引越から半月がすぎました。新しい家でダンボールを開くと、かならず猫が中に入る。なんだい、杉並の残り香でもするのかい? 

雨上がりの土曜の夜。東心斎橋カリエンテにて「Bitter Sweet」というラヴァーズロックのイベントにあそびにいく。隔月の第二土曜日に決まって行なわれているこのイベント、前に来たときは真夏で、淀川の花火を見たあとだった。今日は真冬でてっちり鍋を食べたあと。セレクター(レゲエで言うDJのこと)の三人の三十路紳士(ヨダさん、ホソキさん、ワダくん)が、メロウでスイートなラヴァーズのレコードをかけて、恋を待つギャルがうっとりとほろ酔いの夜を過ごしているのかと思いきや、フロアでは男の子たちがそれぞれに盛り上がっている、いわばラヴァーズ男子部。女の子はふだんから恋にいそがしいから、男の子のほうがむしろロマンチックなのかもしれません。

その夜に流れた甘いナンバー、Samantha Rose「Together We Are Beautiful」。ラヴァーズの女の子の声、胸きゅん!

祝い酒のシャンパンと甘いナンバーに酔いしれて午前五時。次回は二月の第二土曜だそうです。