【連載:wedding001/序】 わたしたちの結婚式について

2010年10月16日、よく晴れた秋の日。兵庫県の塩屋という海沿いを見下ろす丘に建つ築百年の洋館で、わたしたちはわたしたちの結婚式を挙げました。

結婚式のことは、きちんと書き残しておこうと思っていました。
それはそれは、とてもすてきな一日だったから。結婚式というものが持つ先天的なハピネス(祝福される人と祝福する人が集う)はさておき、実は、わたしたちが満足している理由はもうすこし別のところにもあります。それは、世にある数多の結婚式の中から、他のどれでもない「わたしたちらしい」場を、わたしたちで生み出すことができたという充実感。それは結婚式や宴の最中にも、幸福な実感としてずっとついてまわっていました。ふたりで「結婚式を挙げよう」と決めた最初の瞬間から、一貫してブレ無く最後までやり遂げられたことに、こころの中でガッツポーズ。



勝因(ロマンチックなイメージとは無縁な言葉だけどね)は、


1 結婚式の目的とテーマがハッキリしていたから
2 わたしたちに無理のない、わたしたちらしい方法を、わたしたちで考えたから
3 まわりのひとたちに恵まれたから



わたしたちが挙げた結婚式は、わたしたちにとってベストだったと自信をもって言えるけれども、人によってはまったく違うスタイルの方が合っていることもあります。ただ、たとえばこれから結婚式を挙げようとしていて、既存のスタイルに違和感を覚えていて「わたしたち」という起点で考えたいなと思っているひとに、あるいはすこしだけフレキシブルなアイディアを探しているひとに、もしかしたら役に立つあれこれもあるかもしれません。

挙式やパーティのダンドリや進行表も、司会台本も、背景に流れる音楽のセレクトも、ドリンクの手配も、当日の朝にケーキや花を載せて大きなハイエースで運転するにいたるまで、お互いにイベントやライヴの企画進行を今まで手がけてきたガテン気質の器用貧乏ゆえに、結婚式当日の明け方まで作業していたというハードな舞台裏。


せっかくなので、ドレスや衣裳やお花、お料理やケーキ、引出物や引菓子、招待状や当日配ったしおりなど、自分たちが納得いくまで選んだり作ったりした物事についても具体的に触れていきたいと思います。