【連載:wedding002/序】 結婚式の目的とテーマ

恋人としてお付き合いをして、ふたりで生きていく50年近い日々が見え、プロポーズの瞬間があり、入籍をして夫婦となり、一緒に住み始めたのが2009年の12月。その時にはすでに結婚式を挙げようと考えていました。

わたしたちにとっての結婚式、その目的は「両親への感謝を形にする」こと。

結婚というハレの日に、お世話になった親戚や友人の前で「ありがとうね」と伝えたい。文字にするとなんてことないのですが、最初に目的をハッキリとさせたことで、ダンドリを考えたりコンテンツを決めたりするときに迷いなく進めることができました。逆を言えば、一般的な通例であっても、自分たちの目的には沿わないと思うことはバシバシ省いていくことができました。


たとえば、


【やる】
・それぞれの親に役割をもってもらう(ベールオフ・バージンロードを歩く・乾杯の音頭など)
・花束贈呈、新婦からの手紙は照れずにやる
・締めの挨拶は父親ではなく新郎が喋る
・家族写真をきちんと撮っておく


【やらない】
・親からの出資(ただし、たくさんサポートしてもらいました)
・新郎新婦と両家の親が並んでお見送り
・親だけが付き合いのある客を招く
・友人だけで盛り上がるような二次会


など。


(↑手紙〜花束贈呈はきちんとやっておいてよかった)


「慣例ではこうだから」「これは一応やっておいた方がいい」というしがらみがなく、ニュートラルな地平から組み立てていけることの自由さといったら!


わたしたちの場合は、自分たちがホストで、お互いの親がいちばんのゲスト。幸い、世間一般的な「両家の結婚」という発想が一切無いところからスタートできたのは、親や家族の理解があってこそ。おそらく、ほぼ他のゲストと同じくらい、当日になるまで知らないことだらけの結婚式だったのではないかと思います。当然、招待状の送り主はわたしたちふたりの連名。実は親にも招待状を送っています。日取りも会場も招待客もドレスも食事も引出物も何もかも、親にはほぼ事後報告(もちろん決定の一歩手前で相談していますが)。お互いの両親にとって息子・娘のはじめての結婚式だったので、もうちょっと中心に関わりたいという思いもあったかもしれないけれども、「あなたたちのことだから」と手放しで信用して見守ってくれたことに本当に感謝しています。結婚式でこれまでの感謝の気もちを形にしたはずが、また大きな感謝が増えてしまったというわけです。

(↑パパハタリ、手なんて見ちゃってどうしたの)