八月札幌夏仕舞 5 札幌「モエレ沼公園」

ずっと行きたいと思っていた、札幌市東区「モエレ沼公園」

モエレ沼公園は、イサム・ノグチのマスタープランに基づいた札幌市街地の緑化計画によって生み出された広大な公園。ゴミ埋立地を基盤整備して、山をつくり、池をつくり、木を植え、芝が敷かれた。着工が一九八八年。イサム・ノグチは完成を見ずして八十四歳で亡くなったが、その遺志と基本設計は引き継がれ、二〇〇五年にオープンしたという。その記録映像をすこし見た。ゼロの地平からの作業。道産子のフロンティア・スピリットを垣間見た気がします。二十年近い時間をかけて、希望と信念で生み出された土地。

天気のよい日。よっこらとひたすらに石段を登った山頂には、夏の終わりのすずしい風が吹いていました。「モエレ山」からの見晴らしは見事。



園内には彫刻や遊具、噴水、建築物などがあるけれど、公園全体を通してのランドスケープがすばらしい。大きな犬もちいさな犬も、大きなひともちいさいひとも、のんびりと遊んでいました。ほんとう、ひさしぶりに「ランドスケープ」なんて言葉を発してしまったほどに、とにかく視界が広い。

さて、山を降りてあそびにいきましょう。


「海の噴水」のプログラムはとても豪快。午後になって西に傾いた陽射しが水しぶきと出会って、虹ができていた。さすが「虹と雪のバラード」の町。

噴水のプログラムが終わり、シンボル的建築のガラスのピラミッドへ。


ガラス張りの内部には、コンサートやダンス公演もできるアトリウム。この日は夜からお芝居の公演だとか。今日みたいな青空の日に、ここでコンサートをやれたらすてきだなあ。


屋上に出ると、夕暮れの空。夏休みの日が終わりを迎え、短い夏はもうじき幕を閉じる。

小学校の現地学習で訪れた「丘珠(モエレ沼一帯を含むあたり)」は、だだっ広い玉ねぎ畑とローカル空港があるだけの「札幌の周縁」というイメージだったけれど、それは南西地方の豊平区民の驕りでした。東に向かって敬礼。

【モエレ沼公園】 札幌市東区モエレ沼公園1-1 電話:011-790-1231 開園時間:7:00〜22:00(入園は21:00まで) 入園無料



【ミスハタリの 八月札幌夏仕舞 2008/08/28-31】
1 序:おみやげと猫のこと 2 北の良心「キコキコ商店」 3 函館本線「山線」と昆布駅 4 小樽手宮「小樽市総合博物館」 5 札幌「モエレ沼公園」