人生をかえる本とコーヒー 〜【本篇】 下北沢「気流舎」にて

できあがった座頭市本(「座頭市映画手帖 petit」)を手に「気流舎に行きたい」とひとりごちたら、ハーポ部長から素早いメッセージが届いたのは昨年末のこと。それからずいぶん日が経ってしまったけれど、ぽっかり空いた水曜の午後、はじめてそのドアを開けてみた。「気流舎」は、いままで何度も通ったライヴハウスのすこし先の路地にあった。


 

木の扉を開けたら天井までの本、本。気流舎さんはたった四坪の対抗文化専門古書店(→☆ 気流舎の遊び方)。どの本の並びも合点がいくというか、ちゃんと読んでから本を棚に並べているのだろう。そんな充実した本棚を興奮気味に眺めていると、部長が「上にロフトもあるんだよ」とななめ上を指さした。居心地いいじゃないの。チャイをのみながら、しばし雑談、近況報告。ハーポ部長は、以前『平岡正明のDJ寄席』で企画編集をともにした間柄(そもそも、彼は法政大学での公開講座平岡正明のDJ寄席」の席亭なのです)。週末に見てきたという、「ラ・マシン」の巨大機械グモの写真や動画などを見せてもらう。

 

はじめての気流舎、むずかしいことはなんにもなくて、とにかく想像以上に居心地がよかった!「あ、高校時代のわたしのアイドル」と、本棚から中沢新一『森のバロック』を手に取ると、ふたりが笑った。散歩好きの部長と『アースダイバー』の話など。ああ、わたし、本をもっとたくさん読もうっと。

座頭市映画手帖 petit」を置いていただきました。「なんかよくわかりませんけど、情熱とか愛とかそういうものはビシバシ感じます、正しいファンジンってかんじ?」と、店主加藤さん。ほめられたと思っておこう。

【気流舎】 世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ1F 電話:03-3410-0024 月曜休