秋の札幌、キコキコ商店

九月のハタリ旅、こんどは札幌へ。中島公園を鴨鴨川沿いに歩いていき、ひさしぶりにキコキコ商店さんに草鞋を脱ぎました。前に来たのは昨年、中島公園沿いのホテルから、雪道をすべる靴底で慎重に歩きながら訪れた二月のことだった(そのときの出会いの様子はこちら)。今日は九月、あいにくのくもり空。

扉を開けて、こんにちはーおじゃましまーす、と勝手に靴を脱ぐと、店主の末木さんが「あ、ああ!」と迎えてくれた。ちょうどのんびりした時間帯で、お手製のジンジャーエールをいただきながらキコキコ店主夫妻とじっくりとおしゃべり。先月は内橋和久さん、その前は酒井俊さんバンドがお店や札幌の路面電車のなかですてきなライヴを行なったというお話、そして来月の十月六日と七日には、関島岳郎さん&中尾勘二さんのデュオに近藤研二さんが加わって、またやっぱり路面電車の中で演奏をするライヴがあるとのこと。 いいなあ。

そんなあんばいでのんびりしていたら、急に外がにぎやかになって、窓の外を見ると、お店の前には中島公園のコンサートホール帰りの奥様がたが群がっている。「ここお店かしら」「お家じゃないの?」「でもコーヒーって書いてあるわよ」「ドア開けてみましょうよ」「あら、靴脱ぐんだって!」「えーっ」。そうですよ、喫茶店ですよー。新しいお客さんたちの登場で、わたしはひとり占めしていた椅子をあけて、CDが並ぶ棚の前にしゃがんだ。前回見落としていたもの、前回から増えたもの、そして今回ほしかったものを手にとって選ぶ。

今回買ったのは、「ずっと家にあるような気がしていたけれど実はいつの間にかなくなっていた名盤」「いまさらなハナシだけども呑み屋で出会って心をわしづかみにされた一枚」

歩く人

歩く人

TEXAS UNDERGROUND

TEXAS UNDERGROUND

(いつもの流れでamazon.co.jpのリンクを貼っていますが、http://ironbridge.exblog.jp/i51/ と http://ironbridge.exblog.jp/130664 がダイレクトです)

キコキコ商店さんにはオフノートの作品がたくさん置いてあるのだけど、中でも末木さんもおすすめなのが、六枚組のライヴCD「JUST A NORTHERN SONG 夢の隊列 2005 LIVE IN 北海道」。こりゃあ、すごい、と盛り上がりつつも、今日のところは手持ちがなかったので上の二枚だけをお買い上げ。しかし限定品だと言うし、のんきに過ごしていたらきっとなくなっちゃうんだろうなあ。

ちなみに、キコキコ商店さんは、ハタリブックスの「座頭市映画手帖」が唯一札幌で手に入るお店でもあります。版元(つまりハタリブックスのこと)では在庫完売、キコキコ商店さんにはあと三冊残っていましたよ。

【キコキコ商店】
札幌市営地下鉄南北線中島公園駅で下車して、中島公園の端っこを流れる鴨鴨川というかわいい名前の小川沿いに遡って、南十二条西六丁目、路面電車(市電)が走る近くにあります。ジンジャーエールもおいしかったし、ほかにもいろいろなごはんやおやつ、そしてたくさんの豆本と音楽があって、扉を開けたらにやけることうけあいのお店です。