夏の扉をひらく散歩

見上げた空、わたしの夏のはじまり。

勝どき橋のうえから築地市場を望むと、もっと向こうには東京タワーが見えた。土曜の朝は早起きをして築地で朝寿司。外国からの観光客で混雑するなか、市場の大人たちとターレットは、ふだんと変わらない様子でブイブイ働いているのがかっこいい。ひさびさの大和寿司では大将に握っていただき、甘くてたっぷりのウニやカンパチにうっとり。満腹と満足で市場から出た午前九時、銀座はもう夏の日差し。

二年ぶりにあそびにいった隅田川花火大会。川近くのナイスポジションで見上げる花火の豪快で粋なことといったら! 拍手や歓声に包まれる臨場感。今年も浴衣の帯は貝の口。浴衣のこころは新珠三千代淡島千景で着ています。浴衣姿ではノーアクセサリー、ノーネイルカラー、スッピンという湯上がり風が信条。花火後には喫茶カドで生ジュース。レモンやセロリ、リンゴ、パセリ、アロエなどが入った緑色がきれいな活性ジュースがおいしかった。pagtasの坂田りっちゃんや、はじめてお会いした和田ちひろちゃん(初対面だけど「ちゃん」と呼びたいキュートな女の子)とおしゃべりしたり、みんとりさんに囃し立てられたりしながら、しばし涼む。

 

その後、「押上リキッドルーム」で繰り広げられているパーティへ。この界隈(どの界隈?)では地味ポジションのアタイなので、知っているひとはあまりいないけれど、それでも楽しいっていうのはうれしい。ご実家一階の空きスペースに、立派なDJ機材やプロジェクター、手づくりミラーボール(うちわで扇ぐ)までご用意されていた岸野雄一さんのサービス精神に脱帽。すごいぞ! ちなみに二軒隣の酒屋さんがバーカウンターになっていました。夏の夜のビールはおいしいな。


暑い午後に西荻窪を散歩。美容室「花」の選曲がさいきん洗練されてきていて、美容師のクボイさんに尋ねると「すぐそこにできた『雨と休日』さんの入れ知恵です」とネタをばらし、「ハタリさんも好きだとおもいます」と勧めてくれた。雨と休日は、ガラス戸のなかにきれいに陳列されたCDと穏やかそうな店主の男性が座っている小さなお店。国内外、新旧問わずにセレクトされたCDが、Day/Nightと分類されています。ついその穏やかさに長居したのち、ome-tone(オムトン)という女性三人の打楽器グループの自主制作CDR「オムトン」を買いました(このCDR盤は一般流通させていないみたいなので、別のものをご紹介)。

omu-life for BankART LIFEII

omu-life for BankART LIFEII

マリンバの音が心地よく、キュートでクールでちょっとシニカルな打楽器たち。野毛動物園やズーラシアなどでライヴをしているそうで、とても気になります。「あんまりかわいくない姫のダンス」なんて曲名が好奇心をそそるでしょう?
【雨と休日】
【omu-tone】


それから、吉祥寺の「うな鐵」でうなぎ串を食べたり、二週連続「おでん太郎」で呑んだり、会いたかった方に会えてこれからのことをお願いしたり(もったいないハナシなのでここには書きません)、日日は明るい夏のいろいろに満ちています。



午後六時半、杉並から井の頭に向かって自転車で走っていたら、宝物みたいな夕焼け空に出くわした。しばしポーッと立ち止まっていたら、蚊に刺されて腕がかゆい。夏認定。
(この夕暮れに出会ったのは八月五日の夕方で、こういうことって夏のあいだに一度はある。昨年は高山本線の山間にある猪谷駅で出くわした空だったと思い返したら、それはちょうど一年前の八月五日のことでした → ☆2008/08/05の日記