ミスハタリの北海道凱旋旅 2 小樽さんぽ

札幌から小樽へ。気動車キハ天国の北海道でも、この区間は電化・複線路線なのでいまいち面白みに欠ける。見どころといえば、銭函駅を過ぎたあたりで海のすぐそばを走る景色(と、冬場に小樽築港駅のホームに停まっている除雪用の赤い電気機関車)くらいなのだけれども、さすがに連休の行楽日和、新千歳空港からやってくる「快速エアポート」は混雑していて海側の席はいっぱいだ。銭函駅のつぎにあった海っぺりの張碓駅はいつしか廃駅となり、快速電車は朝里駅すらもピューッと通りすぎてしまった(「ほら、アサリだよ!」と言うだけで精いっぱい)。

小樽の夜、観光客にまず海鮮の洗礼を。小樽駅前の長崎屋裏、都通のアーケードのすこし手前にある小さな居酒屋「がつや しまざき」へ。

 

明らかに地元密着で入りにくい雰囲気、のれんをくぐるとコの字型の小さなカウンタの中でひたすら炭を起こす寡黙な親父さん。内側でさりげなくサポートするおかみさん。ぐっとたじろぐ「地元」のお店。生ビールと、ちょうど旬の秋刀魚刺、はたはたの焼いたの。炭火でじっくりと焼かれた身は柔らかく、塩具合がとてもおいしい。

ほかに出張らしきひとり客、羽振りよく蟹を平らげる陽気な中年四人組、常連らしき父と娘のふたり連れで、小さなお店はもう満席。壁には鹿の頭がどーんと飛び出していた。ザ・北海道。いつかまたここに飲みに来て、親父さんと仲よくなりたいな(こういう呑み屋の親父さんってすきだ)。炭火の網の上に置かれた豚肉のかたまりもおいしそうだった。ほろ酔いでガス灯ともる小樽運河や、花園高架下のスナック街を冷やかす夜の散歩。

翌朝は色内にある小さな鱗友市場の食堂で朝イカ定食。食べ終えて、手宮方面にうしろ髪を引かれながら小樽運河沿いを散歩。すこし北に足をのばせば手宮の「小樽市総合博物館」があるのだ(静態保存車両の数といい、蒸気機関車模型などのディスプレイの素晴らしさといったら、鉄道ファン必見なのです → ☆2008/08/29「八月札幌夏仕舞 4 小樽手宮 小樽市総合博物館」)。

 

小樽運河の北のあたりにはイカ釣り漁船がたくさん泊まっている。天気がよい午前の散歩、上機嫌でついつい歩幅が広くなりますね(そしてヒールが石畳に引っかかってよろけるのだ)。

洋菓子喫茶「あまとう」でソフトクリーム休憩。ここはママハタリが小樽の女学生だったときにもお茶をしていたという、昔ながらの親しみある町の喫茶店。赤いベロアの小さな椅子と小さなテーブル、なつかしい雰囲気のシュガーポット。ここのソフトクリームは甘くてやわらかくて安心するおいしさなのだ。このソフトを使ったクリームぜんざいが人気のようで、ママハタリがいまだにクリームぜんざいを好むひみつはここにあった。

【あまとう】 小樽市稲穂2-16-3 電話:0134‐22‐3942

クラシカルでかわいい焼菓子「マロンコロン」は、わたしのなかでのお気に入りの北海道みやげ。いまでは小樽駅や札幌丸井、新千歳空港でも買えるけど、やっぱり本店で買いたいものね。



【ミスハタリの北海道凱旋旅 2009/09/17-23】
1 札幌、中島公園の猫たち 2 小樽さんぽ 3 札幌さんぽと秋の空 4 会いたかった、しろくまツインズ 5 ニセコ羊蹄山と里ごころ

※つづきの3、4、5の更新はお休みしますが、かわりにこちらに、北海道凱旋旅のいくつかの写真と日記を書きました。
2009.10.24.「九月、十月、ハタリの散歩道」
2009.10.27.「九月、十月、ハタリの散歩道 2」