春の奈良へ、ふたり旅

桜がちょうど花開いて町が華やかになったちょうどよいタイミングで、札幌からママハタリがやって来ました。二泊三日の関西旅行を一緒に。大阪在住歴はまだ三ヶ月、案内できるほどくわしくないし、ミーハーだし、なにより散歩の延長ですこし遠くに出かけたい。住んでいる町から近鉄に乗ってもJRに揺られても小一時間で行ける町、奈良へ。昨年の秋に訪れた以来です(→☆ 2009年11月4日の日記 秋の日の奈良さんぽと「くるみの木」)。桜時期と平城遷都千三百年記念が重なって、国内外の旅行者でにぎわっていました。

興福寺では阿修羅像などの国宝や重要文化財を一気に鑑賞。その価値についてはわかったようなふりしかできないけれど、パッと見たときに感じたことで言えば、鎌倉時代のものという木造の金剛力士像、昔だからとか今だからとかではなく、こんなすばらしいものをつくるひとが世の中にはいる/いたということ、その創造を支えぬいた精神力と体力の強さを想像して圧倒されるまでなのでした。

奈良公園で鹿に囲まれ、たくさんの桜を眺め、奈良ホテルの喫茶室で庭を眺めながらお茶。ウェイトレスの制服が赤いクラシカルなワンピースでかわいらしかった。喫茶室のとなりのバーの椅子が赤いベロアできゅんとしました。泊まってみたいなあ。

おみやげは鹿みくじ。

鹿のおしりに穴があいていて、赤い紐を引くとおみくじが出てきます。

昨年から今年にかけてよく札幌に帰っていたので、ママハタリに会う機会はたくさんあったのだけれども、春と秋の恒例となっていたふたり旅行は二年ぶりだったのでした。そうだ、前にも秋田、角館で満開の桜をいっしょに眺め、いっしょに川べりを歩いたことがありました(→☆ 2008年4月24日の日記 ミスハタリの秋田旅 7 青空と桜、田沢湖と角館)。わたしたちはたくさん並んで歩いて、たくさんおしゃべりをして、短い時間を長く過ごす。わたしたちは歩くスピードもしゃべるスピードもわりと近い。ふだんひとりで鉄道に乗ってばかりのむちゃな旅をしているわたしにとって、母との「旅行」はいつものひとり旅とは勝手はちがうけれど、じつに心地よくたのしいトラベルなのです。