東京中低域というパフォーマンス

近所の空き地で今年も梅が咲きはじめ、ふいと足をとめ、ちょっと得意げにも見えるポーズで鼻を突き上げてみれば、その香りを感じられるようになったなと、春の近さにこっそり浮かれていたら、今朝の東京は冷たい雨、そして雪。

金曜日は下北沢440にて、東京中低域「Back from the UK tour 2009」の東京公演。東京中低域のライヴを観るのはずいぶんとひさしぶりだ。客席前列の女子度の高さにおののく。奇妙な違和感。バリトン10管による低音の重なりはあいかわらず迫力があり、同じ楽器ならではの多様性も豊かに表れている。たしかにおもしろいのだけれども、以前よりもその楽曲に惹かれないのはなぜだろう。そこにあるのは音楽なのか、パフォーマンスなのか。技巧、キャラクター、おとぼけ、いたずら、ポップスター。密度の高い瞬間とだれる瞬間が交互にやってくるかんじ。これは単に、一観客の勝手な好みの問題なのだろうか。

オープニングでエフェクターを使って演奏した、鈴木広志さんのソロがすてきだった。ループの重ね具合が、じょじょに色を変えていく絵画のような展開。巧いだけでは出しえない音楽の豊かなすがたを観ました。

【東京中低域 (eqcd.net)】


東京に冷たい雨と雪が降った翌日は、ハッピーなお呼ばれを受けて埼玉県川越まで。東京メトロ副都心線急行の10000系車両乗車、そして人生二度目の東武東上線に乗り継ぐという、めずらしい遠出となりました。肌寒くたって気にするもんかい、と、ピンク色のシフォンブラウスとふわふわに巻いたヘアスタイルで、勝手に春へと勇み足。ガーリーな格好で澄ましてみても、新婦に「彼女とは空手部で一緒でね」と紹介される始末。ある時代を文字どおり共に戦った旧友。彼女に訪れた春とほのかな梅の匂いだけで、そうね、一杯呑めるよね。ということで芋焼酎の夜。