ミスハタリの春陽南風旅 3 那覇・のんきな猫散歩

沖縄の空は、昨日の雲のことなんてすっかり忘れて晴れわたっていた。陽射しがまぶしい、三月なのにすっかり南国の顔をしている。フロントに荷物を預けて、すこし薄着で町へ。

国際通りに出てから公設市場の通りを進む。市場で立ち止まらずに、どんどん奥へ。壺屋のやちむん通りまで出てみた。

壺屋には焼物屋や窯元が集まっている。午前中のためか観光客もほとんどいなく、のんびりとした雰囲気。ガイドブックに載っているとはいえ、国際通りのギラギラ感からほど遠い静けさ。

 

市場周辺に戻ってきて、安宿や定食屋や飲み屋のあるエリアへ。日曜の朝はとても静かだ。白猫と黒猫を追いかけて歩いてたら、迫力の廃墟に出会った。

そして坂を上がったら桜坂劇場→☆)。二階のゲットハッピーレコーズで地元ミュージシャンのアレコレを見ていたら、サングラスと日傘装備のジョスが劇場にやってきた。のん気な散歩は三人編成となって、向かいの丘にある公園から再スタート。国際通りまで戻って、ジョスの先導で裏道に入る。「このへんは、ハッピーでフリーダムな憧れでやってきたバックパッカーがそのまま居ついて、家族ができて、道端でアクセサリーを売ってたりする、ああいうひとたちが多い」。そのあたりを通りすぎたところで、「大東そば」にてこの旅行で二度目の沖縄そば南大東島のおそばで、かなりの太麺とコシの強さ。「大東すし」というのもありました。

 

【大東そば】 沖縄県那覇市牧志1-4-59 電話:098-867-3889

おなかがかるく満たされたところで、「またまた、すぐそばにちょっと気になる店があるんだけど」と、同じ通り(パラダイス通り)にあるカフェ「プラヌラ」へ。地元に暮らす友だちがいるのっていいな。

外観の白×紫という色合いに、オトメゴチック系ではと心配したのだけれども、紫色のドアをあけてみると、天井の高い店内にアンティーク家具がゆったりと配置された明るいお店。店名の「プラヌラ」とはくらげの幼生のことなんだって。ポットでアッサムをのみつつ、飽き足らぬおしゃべりはつづきます。ふたりが注文した自家製のスコーンのたまご味が濃くておいしかった!

  

【プラヌラ】 沖縄県那覇市牧志1-3-31-1 電話:098-861-0870

そして那覇散歩で出会った、のら猫のみなさん! みんな細おもてでかっこいい。



 

おかしな洋服をいろいろ置いてある古着屋のそばにいた、スクーターの下で重なり合っていた二匹の猫のかわいらしいことといったら。

ホテルへの帰りみちには、はじめてのゆいレール乗車にわくわく。今回の旅は鉄道が敷かれていない沖縄が舞台だから、鉄道熱をぎゅーっとおさえているけれど、やっぱり線路を見かけたら乗っておかなくっちゃね。揺れが少ないし、見晴らしはよいし、レールのある乗り物はやっぱりたのしい。

 
 

日が暮れるまえに浜比嘉島へ着くように、昼すぎにジョスと別れて那覇しゅっぱつ。東海岸浜比嘉島方面への移動には車(レンタカー)が一般的なのだけれど、運転に不安のある女子と運転免許すら持っていない女子のふたり旅なので、無謀にも路線バスで向かいます。このへんが「ムー部」らしい選択。お菓子とワインとビールを買い込んで、乗客がほとんど乗ってこない路線バスの、いちばん後ろの長い席に座って、揺られること二時間強。終点の屋慶名バスターミナルで降りて、タクシーをみつけて、東海岸の四つの離島へ伸びる海中道路を渡る。干潮で浅くなった海を見ながら、運転手さんから「この道路ができるまでは、歩いて渡ることもできたんですよ」と、うそかまことかわからない地元のハナシ。

海中道路の先にある平安座島から、浜比嘉島への長い橋を渡るとちゅうに見た、大きな夕陽のすばらしいことといったら!


【ミスハタリの春陽南風旅 2009/03/14-17】
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