あずき色の列車で「はにほへと」
東京で暮らしているものにとって、阪急の車両はやきもちをやいてしまうほどかわいい。あずき色の姿、ライトグリーンの椅子。そして阪急石橋駅の箕面方面行きのホームには旅の匂いがする。
桜井という駅で列車を降りたのは二度目。すこし歩いて「公認阪急桜井市場(→☆)」へ。
古い市場の奥ほどに「はにほへと(→☆)」はあります。
「本日休業」の黒板を無視して戸を引き、おーいと声をかけると、あの子が「ああ」と顔を出した。一年ぶりの再会なのに、まるで昨日も会っていたかのような気軽さで。
「はにほへと」は、カレーとお酒と音楽とフェルトの居場所。札幌で出会い、吉祥寺ですこしだけ一緒に暮らして(→☆)、大阪に戻った友だち、カーリさん(id:kaef)がいつの間にか開いていたお店。のどがかわいたあ、と言うと、カルピスと缶ビールが出てきた。涼しくて居心地のよい場所に、心地よい音量でスティールパンの音楽が響いている。なんだか夏休みのような気分。
カルピスを飲みながら「はにほへと」の近況と、カーリさんの近況と、猫のさかなさんの近況について聞く。「今朝のさかなさんは網戸に引っかかってフニャー!ってなってた」とのこと。四月の「はにほへと」は四月二十五日&二十六日の週末のみの営業だそうですです。
「はにほへと」のお向かいは八百屋さん。また、前身がイカ焼き屋だった名残で店の上にはイカがえらそうに掲げられています。
木のハシゴを登った先にはナイショの基地みたいなディージェイブース。そこからこっそり二階をのぞき見ます。
一年前にはまだ作り途中だった「はにほへと」。あのときにカーリさんが「いま欲しいものは壁」と言って見せてくれた落書きどおりに、窓がたくさん付いた壁が店の正面に建っていた。濃い目のコーヒーを飲みながら、数年前には想像しなかった空間で、数年前よりもいくつか年をとったふたりがおしゃべりをしているのが、実に自然に思えた午後。つまり、それは居心地がよかったってことね。