鉄道

 博多南で100系そして500系

この秋から遠出の用事が増え、旅というほど自由気ままではないけれど、これは町を飛び出すチャンス。十月後半は福岡県の博多へ。これまで九州への移動は飛行機ばかりで、山陽新幹線に乗って新神戸駅以西を走るのもこれがはじめて。山陽新幹線は博多駅止まり…

新版ミスハタリの北陸旅 1 大糸線カップルトゥギャザー

さいきん旅日記をせっせと書いているせいか、どうにも「旅ばかりしていますよね(つまり、仕事してませんよね?)」と言われるミスハタリ、その旅道楽根無し草の称号に恥じることなく、月が変わればまた旅かばんをがばっと抱えて列車に乗り込みます。こんど…

わたしが井の頭線を好きな理由

京王井の頭線との付き合いはもう十年になる。井の頭線は、東京都内でしのぎを削る私鉄通勤通学運輸のひとつでありながら、五両編成というコンパクトさで、吉祥寺〜渋谷の大して離れてもいない駅間(下北沢駅のホームから新代田駅がはっきりと見えるし)をの…

あずき色の列車で「はにほへと」

東京で暮らしているものにとって、阪急の車両はやきもちをやいてしまうほどかわいい。あずき色の姿、ライトグリーンの椅子。そして阪急石橋駅の箕面方面行きのホームには旅の匂いがする。 桜井という駅で列車を降りたのは二度目。すこし歩いて「公認阪急桜井…

ベルゲン急行と『ホルテンさんのはじめての冒険』

ベント・ハーメル監督『ホルテンさんのはじめての冒険』(2007/ノルウェー)を観た。口数少ない紳士ホルテンさんは、首都オスロ〜ベルゲン間を結ぶノルウェー鉄道「ベルゲン急行」の運転士。「実直なホルテンさんの、はじめての遅刻」というハプニングから…

海を走る函館本線「山線」

今年の正月の大いなる里帰り「北東北&北海道 冬のより道」で、函館本線「山線」を通って札幌にたどりついたあと、実はその翌日、また函館本線に乗っていた。札幌駅〜小樽駅間。この区間は電化された鉄道で快速列車も多いのではっきり言ってあまりおもしろく…

ミスハタリの旅日記更新

きょう東京では春一番が吹いたというのに、町行く女の子たちがきゅうに薄着になったというのに、いまさらですが、お正月に北に向かって大きくより道をした「北東北&北海道 冬のより道」という旅日記を書いています。 【北東北&北海道 冬のより道 2009/01/0…

北東北&北海道 冬のより道 6 冬の道央から函館本線山線へ

旅の朝はいつだって早起きだ。ここは函館駅前、すぐそばには朝市があるけれどいまは正月、河岸も港も当然お休み。パンと野菜ジュースで簡単な朝ごはんを済ませてホテルを出る。冬の晴れた朝。鼻のてっぺんがすぐに冷えて痛くなる。函館駅のうしろはすぐ海な…

北東北&北海道 冬のより道 4 うみねこ八戸線、津軽海峡の夜

14:41に久慈駅到着。ここからはJRの八戸線に乗りかえて、久慈から八戸に向かって海沿いを走ります。八戸線のホームにはすでに列車が停まっていた。キハラブ! 白×赤のツートン(盛岡色)も爽やかで好ましい。車両はキハ40系(キハ40-554、559、563の三両編成…

北東北&北海道 冬のより道 3 三陸鉄道、潮風と晴天

13:03宮古駅着の山田線を下車、ホームの先を進むと三陸鉄道への乗り場につながっている。出発は13:10。 当日有効の青春18きっぷがあれば一日乗車券が九百円になる割引もあるのだけれども、元旦はすべて正月パス移動なので正規料金で片道切符を買う。宮古駅か…

北東北&北海道 冬のより道 2 ノスタルジック山田線

前に訪れたことのある場所というのは、えてして感傷的な気分になりがちだ。盛岡から宮古へとのびるローカル線の山田線に乗るのは十年ぶりのこと。盛岡駅で新幹線を降りて在来線のホームへと移る。盛岡駅の様子はあいまいな記憶とはやっぱり相当ちがっていた…

北東北&北海道 冬のより道 1 正月パスと東北新幹線

ここ数年来ずっと正月は東京ですごしていた。理由はかんたん、年末年始繁忙期の飛行機は混雑するうえにチケット代がふだんよりとても高いから。と、つい予約を先延ばしにしていくうちに、じつは東京で過ごす正月がけっこう好きになっていた。しかし昨年の元…

線路の先のユートピア――さいたま「鉄道博物館」

旧万世橋駅にあった「交通博物館」が閉館し(→☆ 2006/05/08の日記)、しばしの空白ののちに大宮へと場所を移して鳴り物入りで開館した「鉄道博物館」。混雑盛況のうわさを聞き、落ち着いたころに行こうかと考えていたら、自分の身が落ち着かなくなり、あっと…

ミスハタリ 旅の記憶

これまでの主な「ハタリ旅日記」の目次をまとめてみました。「旅と恋はあと戻り厳禁」がモットーのハタリ旅、のんきな足どりで知らない町を散歩して出会った風景と、旅の神様に愛された記憶。このほかにも旅の記録はいろいろなところに散らばっています(二…

「急行ほたて」に乗って――「宮脇俊三と鉄道紀行展」

========================= 私は九月上旬の汽車に乗ると、いつも「終り」を感じる。一年を感ずる。すぐあとに秋が控えているだけに、おなじ閑散期でも、二月や六月とはちがった淋しさがある。だから、汽車旅のなかで一年をもっとも強く感じるのは、私の場合…

八月札幌夏仕舞 4 小樽手宮「小樽市総合博物館」

そんなわけでいまいち煮え切らない「山線」のモヤモヤを晴らすべく、小樽で下車して手宮の「小樽市総合博物館」の本館へ。交通記念館の施設と、博物館と科学技術館が合体してできた施設なのだけれども、広い屋外展示場にはたくさんの保存車両や、線路、転車…

八月札幌夏仕舞 3 函館本線「山線」昆布駅

十八まで札幌で育ったわたしの生まれは、「札幌市」ではなく「倶知安町」という町だ。北海道が誇る立派な山のひとつ羊蹄山の麓、名産はジャガイモという、ひじょうにのどかな「ザ・北海道」が広がるエリアだ。その頃は母の実家が羊蹄山の麓にあり、里帰り中…

ミスハタリ 水の旅 6 大糸線の恋

午前5時半にベッドから飛び起きる。コーヒーをのんでドーナッツの朝食を済ませ、早く出るには惜しい快適なホテルをあとに富山駅へ。今日も晴天。6:32、直江津行きの北陸本線各駅停車が富山駅を出発。北陸本線でお馴染みの白とブルーの車両。正面の顔が平べっ…

ミスハタリ 水の旅 4 猪谷駅の夕暮れ

猪谷駅はJR東海とJR西日本の境界駅。到着した列車から降りたひとは十人もいない、ほぼ旅人のようだ。富山行きの列車が出発するまで二十分ほどあるので、駅前の道を下って神通川のそばまで歩く。猪谷駅の手前で県境を迎え、分水嶺を過ぎた川は神通川と名を変…

ミスハタリ 水の旅 3 添い遂げゆく水、高山本線

郡上八幡から美濃太田に戻り、高山本線に乗り換え。今日中に富山に着けばよしとするなら、このまま「青春18きっぷ 鈍行の旅」をつづけるのだけれども、今回の旅路の目玉は、昨年九月まで不通だった「角川駅〜猪谷駅」の区間で、ぜひともここは暗くなる前に走…

ミスハタリ 水の旅 1 かなわぬ夢、越美南線(長良川鉄道)

はじめまして、長良川鉄道。高山本線の美濃太田駅のいちばん端のホームが長良川鉄道の発着場。JRから乗り継ぐためには改札をまたぐ必要が一応はあるものの、長良川鉄道の駅舎が独立してあるわけではなく、国鉄時代の名残そのままに間借りしているような風情…

ミスハタリ 水の旅 0 水と緑と鉄道とわさびの幸福

乾いた町で、定期券をかざして毎朝毎夕同じ通勤ルートを繰り返す。ベランダに咲く朝顔にこころが爽快になるのは悲しいかな午前七時半のほんの一瞬だけで、ずいぶん前に夏の扉をノックしたのに、わたしのなかで夏はなかなかはじまらない。なにかが足りない。…

Good Old Future! 東京メトロ副都心線とSDP

町に新しい線路ができる、そんなニュースを耳にしただけで浮き立つのはなぜでしょう。六月十四日、東京メトロ「副都心線」が開業。有楽町線の新線から東京の町を縦断する、あたらしいライン。この数年、新線開業はべつだん目新しいことではないのだけど、日…

ミスハタリの秋田旅 5 男鹿なまはげライン

「リゾートしらかみ」の上下線を乗り継ぎ、都合七時間ほど五能線をめぐる旅(移動だなんて言わないよ)を終えると、すでに午後十時すぎ。本日の宿は、秋田駅から徒歩五分ほど、千秋公園の向かいに建つ「中通温泉 こまちの湯 ドーミーイン秋田」。シングル一…

ミスハタリの秋田旅 4 五能線センチメンタル

マタギが暮らす山の世界、カタクリとミズバショウとフキノトウの旅を終えてたどりついたのは角館。武家屋敷や川沿いの桜散歩は明後日のたのしみに残しておいて、角館駅からはこの旅最初の「こまち」タイム。盛岡駅〜秋田駅を走る秋田新幹線こまちは乙女チッ…

ミスハタリの秋田旅 3 キュートな秋田内陸縦貫鉄道

くもり空の午前九時、鷹ノ巣駅前で朝食ハンティング。強い風が吹く商店街は誰ひとり歩いていなくてややさみしげだったけれど、以前テレビで見た「のーそん」を発見。お店の中は百円ショップと地場野菜の販売がくっ付いた地元のなんでも屋さんといった様子。…

ミスハタリの秋田旅 2 「あけぼの」の青い夜

「あけぼの」の五号車、「B寝台ソロ」がわたしの今夜の寝床。みどりの窓口で知ったような顔をして「真ん中へんの偶数番がいいです」と指定したのは二階個室が良かったから。車両の真ん中あたりがもっとも揺れが少ないというし、二階個室なら寝転がりながら夜…

ミスハタリの秋田旅 1 上野駅13番ホーム

【2008年4月18日〜4月22日 ハタリ、列車で秋田を旅する】東京は朝から春の嵐。重くにじんだ雨空を苦々しく見上げつつ、明日の晴天を信じて旅支度をする夕暮れ。上野発の夜行列車「寝台特急あけぼの」に揺られてひとり北国へ向かうのです。「角館のしだれ桜が…

車両基地と桜

神田川沿いの桜が花開いてきて、そろそろかなあと久我山と富士見が丘のあいだを自転車で走っていたら、ほうら、やっぱりね。今年も京王電鉄富士見が丘車両基地の一般公開が開催。のんびりと午後過ぎに出かけて、ふだん入ることのない(有刺鉄線の向こう側だ…

時刻表先生、宮脇俊三

先日の旅路で『終着駅は始発駅』を読んで以来(→その記事はこちら)、宮脇俊三さんの本を続けて読んでいる。時刻表や鉄道や旅が好きなひとびとには「今さら!」と笑われそうだけれど、『時刻表2万キロ』と『最長片道切符の旅』。文庫で探すよりも、やはり当…