東京中低域のリラックス

カレンダーも作ったそうです

渋谷でバレエレッスンを終えたあとに下北沢へ。坂道を下る途中のパン屋でみそパンをチャージしてから「440」へ東京中低域のライヴ観に行く。秋の渡英前夜に同じここで演奏をしたとき以来の久しぶりのライヴ。ロンドン滞在中のフォトスナップがスライドショー上映されたり、旅のお土産気分も満載のライヴ。バリトンサックス十本が重なり合う低音の世界、各演奏者のあまりにバラバラな容貌、水谷さんのスイートなボイスと、悪気と茶目っ気にあふれたリリック。披露される曲数の多さ(バリトンサックスのみのアンサンブルなので曲が短くなるのは必至)、民謡からブリティッシュ・ロックまでカバーする守備範囲の広さ、大きい楽器がバリバリ吹き鳴らされる演奏姿はじつに面白い。面白いのでついついライヴの度に出かけていってしまうのだけど、今回はここ一年で観た演奏のなかでもっともリラックスしていたように感じられた。昨年春のツアーはどちらかというとメンバー間での緊張感が満ちているように見受けられたし、渡英前の「440」でのライヴでは初めて譜面台が消えたことと旅への意気込みが重なって良い意味でカオスも見えた。今回は、ちょっとなじみになった場所で、旅土産を手に、ちょっとやさしい雰囲気の中で演奏をしていた。そのちょっとゆるい温度につられて、わたしはこっそり三回ほどあくびをしてしまった。もちろん今回も十本のバリトンサックスはパワープレイで客席を圧倒し、それぞれのプレイヤーの個性がわかりやすく打ち出された面白いライヴでした。

東京中低域 http://sound.jp/tochu/