風呂

ミスハタリの南紀冒険 後篇:熊野、森と川とパンダの夏休み

熊野の山道をくねくねくねくね走っていくと、熊野本宮のちかくに温泉がいくつか湧いています。そのひとつが湯の峰温泉。日本最古の温泉といわれており、ここの「つぼ湯」は熊野詣の旅人の疲れをいやし、いよいよ本宮大社にいたる直前の禊に使われてきた湯ご…

新版ミスハタリの北陸旅 3 能登、くじらをめぐる冒険

金沢をあとにして、くもり空の下を能登有料道路を飛ばします。能登半島は海だけじゃなく、山のある場所なのだなということが、めくるめく景色で実感。想像以上にアスレチックな土地だった。海沿いの細い道を走って、真脇ポーレポーレで立ち寄り湯。ここの「…

ミスハタリ 旅の記憶

これまでの主な「ハタリ旅日記」の目次をまとめてみました。「旅と恋はあと戻り厳禁」がモットーのハタリ旅、のんきな足どりで知らない町を散歩して出会った風景と、旅の神様に愛された記憶。このほかにも旅の記録はいろいろなところに散らばっています(二…

ミスハタリ 水の旅 7 白馬「倉下の湯」再訪 

サンキュー、大糸線! この、すばらしい映画を一本観終えたような清々しい満足感ったらないね。ここからは電化区域、クハE126系の電車に乗り換え。9:40、南小谷駅発。キハがクハになり、クロスシートがロングシートになったところで急に興がさめるのは、キハ…

ミスハタリ 水の旅 0 水と緑と鉄道とわさびの幸福

乾いた町で、定期券をかざして毎朝毎夕同じ通勤ルートを繰り返す。ベランダに咲く朝顔にこころが爽快になるのは悲しいかな午前七時半のほんの一瞬だけで、ずいぶん前に夏の扉をノックしたのに、わたしのなかで夏はなかなかはじまらない。なにかが足りない。…

ミスハタリの秋田旅 6 山荘「駒ヶ岳温泉」

ねえ、知ってる? 世界は、いくつもの瞬間が重なってできているってこと。ある時間、たとえば二〇〇八年四月二十日の十二時二十二分で切り取ってみよう。それは具だくさんの巻き寿司の断面みたいなもの。東京に暮らす娘が「男鹿なまはげライン」から秋田駅の…

ミスハタリの道北旅 5 川湯温泉紀行

反対側のホームからなびくSLの煙に後ろ髪をひかれながらも、旅にあともどりは禁物、と、グッとこらえて、標茶駅から先を目指す。13:10発の鈍行列車はもちろん一両編成。やってきたのはやっぱり「キハ54系」気動車。同じく非電化・積雪地域である大糸線を走る…

ミスハタリの道北旅 3 帯広「北海道ホテル」

今回の帰省、なぜに札幌に直接帰るのではなく帯広によりみちしたかというと、それは「北海道ホテル」に泊まってみたかったから。稲葉なおと著『PAPA'S HOTEL』(講談社)というホテルガイドブックでも、建築的な観点から見ても面白い宿として紹介されている…

ちょっとした石鹸の話

友人とのおしゃべりで「結婚祝いに、ちょっとしたプレゼントを贈るのならなにがスマートだろう」という話題になり(妙齢女子っぽいね)、「フラワーベース」か「石鹸」と答えたらキョトンとされてしまった。「石鹸なんて使ってないよ、ハンドソープもボディ…

富士の見えない山中湖散歩

民宿のふとんの上で目が覚め、寝ぼけ顔のまま、ちゃぶ台の上の焼酎類を片付ける朝。昨夜、やいのやいのと楽しく飲んでいたら、隣の部屋から「もう十一時ですよ、静かにしてください」とふすま越しに叱られて、ごめんなさい、しょぼーんとそのまま眠ったのだ…

ミスハタリの北陸旅 のと鉄道と和倉温泉

朝七時に目が覚める。旅の最中は早起きだ。テクテク歩いて兼六園へ。午前七時半だというのに、駐車場にはもう観光バスが乗り付けている。桜も紅葉も雪もない兼六園、観光というより、いつも通りに杉並区を歩くような朝の散歩。金沢城公園もあわせて実によく…

真夏のフィナーレと清水湯

八月十五日の早朝六時。駅前まで散歩した帰り、家のドアを開けようとしたら、背中に涼しい風をかんじて振り返ると、マンションの向こうに広がっていた青空がすっきりと乾いていた。あの瞬間が夏の終わりだった。とか、なんとか、センチメンタルなふりをして…

五月の風景3 優雅な日

五月十三日、日曜日、曇り。七時に起きる。ホテルのベッドは大好きだ。時間をかけてゆっくりと朝ごはん。マンダラスパのハイドロバスにゆっくり浸かって、午前のうちにすっかり茹で上がる。なんだか美人になったような気がするのは、ミクロな泡のお風呂とデ…