2003-01-01から1年間の記事一覧

昨晩、成瀬巳喜男の『石中先生行状記』(1950/東宝)を観てから寝たせいか、いつもなら憂鬱な月曜の朝だというのに今日は清々しい気持で目がさめた。一気にからだを起こしてベランダに出て体操。「青い山脈」を唄おうかと思ったけれど向かいの家から奥さんが…

休日の遊びかたを間違えた。気持のよい青空に誘われて白いカーテンを洗い、窓から下げていた夏用すだれと取り替えたところまではよかった。できごころで点けたテレビにマルチェロ! 『甘い生活』が再放映していたので狂乱の夜の場面から観はじめ、続けてピエ…

真夜中、稲垣浩『總篇 佐々木小次郎』(1951/東宝)を観た。五十〜五十一年に渡って大谷友右衛門演じる佐々木小次郎を主役に描かれた三作をまとめたもの。巌流島から電波にのって我が家にやってきた三船敏郎の武蔵姿をふとんのなかから拝見。異国風な化粧で…

日中をおとなしく家で過して、夜になってからふらふらと外出。吉田達也さんがドラムを叩く三バンド出演のライヴ「変拍子DE踊ろう! Vol.9」をみにいった。スターパインズにぎゅうぎゅうに押し込められた客のうち、バンドをやっているひとが七割いたとみた。…

秋風邪ひきましてん、今夜は東東京に住むあの娘と総武線の真ん中あたりで会う予定が、おとなしく家にかえり、腰と足にカイロを合計四枚貼ってからだをあたため、しわしわになった洋服にアイロンをかけていた。映画を観るにもあたまとおなかがいたい。座頭市…

今夜の座頭市は三隅研次監督の『座頭市血煙り街道』。勝新と近衛十四郎の殺陣に息をのむ。まばたきしている間にゆうに数挙動見逃してしまうほどのスピード。四分以上つづくラストの対決シーンには、微分していけば相当数の挙動が含まれることだろう。間合い…

古本屋の棚から井伏鱒二の『荻窪風土紀』(新潮社)を手にとって函から出してぱらぱらとめくってみると、色褪せた古新聞の切り抜きがはさまっていた。「きょうの天気」と「天声人語」と「大岡信の折々のうた」。東京。北日中南の風晴時々曇、降水確率十パー…

宵の口に豚角煮を煮込んで、雨の夜はどこにも出かけずにビデオ鑑賞。マキノ雅弘『次郎長三国志第九部 荒神山(前篇)』。石松死んで、弔い討ちに出た大政以下は仇の首を狙いつつ山篭もり中。喧嘩出入りの際に百姓の家に火をつけたという濡れ衣をきせられて、…

ハタリハウスにCSテレビがやってきた! 茄子や朝顔の鉢が並ぶベランダに設置された楕円形のアンテナが南南西の方向からいろんな電波をキャッチしています。さっそく午后十一時からの大映『座頭市』特集、今夜は『座頭市地獄旅』。成田三樹夫と勝新が「王手、…

夜、青山円形劇場で浜田真理子さんのライヴを観た。今回は「あおやま美音堂 秋」と題したイベントで、ベースとボーカルの京都バンド「ふちがみとふなと」との愉快な共演。以前文化村で観た浜田真理子ソロの緊張感あふれるステージとはまた違い、非常ににこや…

浅草東宝でオールナイト興行。なつかしくさびれた匂いのする映画館の女子トイレでは、おじいさんが入れ歯を外して洗っていた。小津安二郎『小早川家の秋』(1961)は何度でも観たい大好きな映画で、やはり魚顔女優、新珠三千代にほれぼれする。このひとは体…

副業「並び屋」やっております。開業二ヶ月目にしてようやく「小ざさの羊羹行列に並べ」という仕事依頼がやってきた。夜明けとともに寝癖あたまで初出勤! 吉祥寺ダイヤ街、一畳の和菓子屋「小ざさ」は、日中なら最中を買う客で賑わうけれど、実の目玉は毎朝…

日本海を北上し津軽海峡を渡る旅から戻ってきました。夜行列車に揺られてこりかたまったからだを深夜のホームで体操してほぐし、午前七時に見知らぬ町を散策し、秋田では稲庭うどんを青森ではりんごケーキを函館ではうに鮭丼を余市ではニッカウヰスキーの試…

今夜より、夜行列車「ムーンライトえちご」で日本海側を北上し、北海道までいってきます。途中下車予定は、秋田(昼食)、日景温泉、五能線沿線(十二湖、深浦)、弘前、青森、函館(朝市)、長万部(昼食)、余市(祖父母の田舎)で、札幌着は三日の夜です…

朝顔部誌霜降りの赤い花(「花吹雪」)につづき、ちょいと小洒落た佇まいの青い花が咲きました。さいきんは実を収穫して食べられるものばかりに気持が向いていたけれど、つぼみが花ひらくのを見るのはまたうれしいものね。 とはいいつつ、「そら豆」と「にん…

今日のことではなく一昨日のこと。宵の口、早めに帰宅して浴衣に着替えてスターパインズでエンケン(遠藤賢司)さんのライヴへ。サマージャンボリーと題した八月中のスターパインズ、チケットを買いに行ったときに「浴衣をきてくるといいことがあるよ」と貼…

朝顔部月報。ようやく赤い花がふたつ咲きました。飼育方法が甘かったため行灯の上段がジャングルのよう。鋏を入れて風通しをよくする。ベランダ園芸はとても愉しい。帰りみち、我がアパートを眺めると月光に茄子のシルエットが浮かび上がっていたりすると得…

おなかがへった、昼ごはんを食べよう、そうだ、あの店のカレーライスにしようかアジアごはんにしようかそれとも木の子のグラタンか。と、歩いていた渋谷消防署通りでよそ見した先にすてきなロングブーツがつま先をそろえて立っていた。こげ茶色、膝丈、ロー…

終電にのって池袋はロサ会館「ライヴ・イン・ロサ」へ。オズディスクとぎゅーんカセットとの対決(同居?)企画で、午後七時から翌朝六時までの十一時間にわたる夏祭り。の、わりにジメジメしているのは雨日の湿気と地下空間のせいであると言い張りたい。ド…

座頭市ブックのカタログ制作、実務がようやくはじまる。今日は『座頭市の歌が聞える』。歌好きな勝新もこの作品ではまだ歌っていないのになぜかこのタイトル。よく『座頭市喧嘩太鼓』とゴッチャゴチャになる。もっとも重要なところは女郎役の小川真由美。そ…

この夏は雨カッパに開眼。これなら嵐の日だって自転車にも乗れるし横殴りの雨に太腿が濡れることもない。両手も空くし鞄だって濡れない。黒いカッパ姿で明治通りを歩いて原宿方面へ。こんなに便利なのに我が同胞は工事現場にしかいなかった。おしゃれな格好…

わすれてしまいそうだから先に八月六日のこと。京橋のフィルムセンターで市川崑『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』(1959/大映)。男やもめの父親(佐分利信)と奔放な妹(野添ひとみ)の面倒をみながら一家を支えてきた若尾文子。自動車メーカーの…

ブルーノートでキップ・ハンラハン「コンジュア」のライヴ鑑賞。ビッグバンドは面白い。さながら現場監督的な佇まいのハンラハンが指差したり怒鳴ったりプレイヤーつかまえて何やら相談したり、楽器を持ったおっさんたちは各人勝手に愉しそうに演奏し、作家…

夜、リキッドでサマソニのアフターパーティ。当日観られなかったラプチャーとポリフォニック・スプリーのライヴ。ラプチャーは文系学生が羽目をはずした感じで、「テクノ」と聞いていたけどそれはまったく誤情報で「テクノポップ」だった。擬態語で言えばス…

急遽サマーソニック。ラプチャー間に合わず、ブロンディのヒット曲の連続に甘酸っぱい八十年代を思い出し、アフロのひとのバンドはなかなかに面白く、仕事からみで覗いたソールドアウトが「うぇかぴぽー」って本当に横揺れしていたのでいいもの見たナアとあ…

何の予定のない休日の午後、吉祥寺デパ地下めぐりをして東急でイカを買った。銭湯にも寄らず帰宅し西日の当たる台所でさばいて塩辛にした。エルンスト・ホフバウエル『続・女子学生(秘)レポート』(1971/独)のビデオを観たら、古いビデオのためやたら下半…

またまた、きょうかたるきのうのこと。フィルムセンターで市川崑『女性に関する十二章』(1954/東宝)。伊藤整の同名ベストセラーをモチーフに、十年来の付き合いの恋人同士があらゆるタイミングが合わずになかなか結婚に踏みきれないうちに周囲を巻き込んで…

今日はペドロ・アルモドバル『トーク・トゥ・ハー』(2002/スペイン)を観た。感動したくてやってきたマダムにも、あるいはストーキングの無気味な話を苦笑いしにきた人にも、双方とも小首を傾げてしまいそうな映画。デデデデデデスコミュニケイションの美学…

寝袋からはみ出た寝惚け顔に雨があたった午前四時四十五分、友人に起こされて目が覚めた。夜通し続いていた騒ぎを背景にいそいで基地を撤収し苗場をあとにする。これにて今年のフジロック終了。新幹線に乗る前に越後湯沢駅近くの外湯「駒子の湯」で朝風呂。…

新潟は越後湯沢まで寝袋野宿一泊二日の「フジロックツアー」。今年は事前親睦会も開いて用意周到な妙齢女子四人のツアー。幸い、昨日までの梅雨の名残はやっと去りゆき新幹線を降りたときには青空が広がっていた。ワッショイ! イベントに挑む時はミーハー心…